こちらの商品は、1950年代、"LINEMAR"と言う商標ブランドで発売されていますが、実際に生産したのは東京の下町(台東区浅草橋)にあった米澤玩具株式会社で、そのブリキおもちゃ「アメリカン航空 DC-7型機」です。 米澤玩具製のブリキ航空機の中でも一際大きく、迫力があります。この"LINEMAR"のＤＣ-７型機には1950年代中期と1960年代初期の２種類が存在します。古い方のプロペラはブリキ製、後から発売された方は白いプラスチック製のプロペラが採用されています。この商品は、珍しい1950年代の古い方です。
《商品の保存状態》
ブリキの表面には凹み（へこみ）、小さな鉄錆び、擦り傷、経年汚れがあります。また胴体と主翼の接続留め金具の辺りにはテープ剥がし跡があります。
左右のゴムタイヤは良好です。左右のフリクションは良好です。ただし、タイヤ走行の回転とプロペラの回転を結ぶ金属バネが左右１本ずつ切れています。よって合計４発プロペラのうち２発が連動して回ります。元箱は付きません。
◆このおもちゃのサイズは、主翼羽約48cmと一際大きく、迫力があります。
◆「日本・ラインマートイ」の標記があります。
なお、このブリキおもちゃ「アメリカン航空 DC-7型機」のプレス加工用金型は同じく米澤玩具製のブリキおもちゃ「Ｂ-２９爆撃機BK250」の金型が転用されています。「Ｂ-２９爆撃機」胴体から半球状に小さく飛び出た小機関銃ピット（砲塔）のユニットを外せば、形状的に同じ大型４発レシプロの民間航空機「DC-7型」の機体に変身しています。終戦直後にアメリカでヒットした「Ｂ-２９爆撃機BK250」のブリキおもちゃが「アメリカン航空」のDC-7型機に変身している『おもちゃヒストリア』です。おもちゃ業界では、金型の転用はよくあることですが、大型爆撃機が旅客機になった事例です。
▼参考画像：このＤＣ-７と同じブリキプレス金型で生産された同社「Ｂ-２９爆撃機」
◆この"LINEMAR"と言う商標ブランドは、アメリカの大手玩具メーカー「ルイス・マルクス」社の日本市場での商標名で1950年代中期〜1960年代初頭に用いられました。全長3インチのダイキャスト合金のミニカーや全長16インチ・主翼幅19インチの大きなブリキの飛行機を日本で製造しました。その大半はアメリカ市場で販売されましたが、日本国内でも一部は「ラインマー」という商標で販売されました。
ただし、日本に自社工場を持たなかったため、各商品ごとに当時の日本の玩具メーカーに下請けさせていました。中でもアメリカ・ダグラス社の大型４発レシプロ旅客機DC-7型「ユナイテッド航空、アメリカン航空、など」を全長50cm近い巨大なブリキボディで製品化している。
＊冒頭に記載のサイズ（ｇ）は、商品出荷時の梱包目安総重量（グラム）です。
Rev.: 2017- 8 - 28 月曜日
▼参考画像：飛行中の「American Airlines （アメリカン航空）DC-7型」機の実機
