こちらの商品は、昭和36年（1961年）2月に発売された松下電器産業のT-46型ファインエイト、８石トランジスターの中波、短波ラジオ受信機です。小型ポータブルサイズです。 保存状態は亀裂やひび割れの破損個所はなく良好で、元気にラジオ放送を聴くことが出来ます。1961年の発売価格11,200円で、当時の公務員の大学卒の初月給に匹敵する高額商品でした。そうした価格設定のためか、本体中央にはトランジスタの数である
『８』が誇らしげにエンブレムとしてデザインされており、更にそこには併せて星粒状のダイヤカット３粒埋め込まれています。
▼このラジオの高級感を演出するためか、フロント中央の「８」の字の直ぐ下には３つのプチ・ダイヤカットが埋め込まれており、輝いています。
▼この製品は1962年には北米市場でも販売されましたが、こちらの商品は日本国内向けのカタカナ表記の赤い
『ナショナル』のロゴマークです。
フロントの頭部にカタカナ表記の赤い『ナショナル』のロゴマーク入り、チューニングメーターの周波数表示は金属プレートにSW/MWの数字記載マーク付きで、ホワイトのバックボードに赤いカーソル指針方式です。
▼新設計のFine Tuning機能付きです。
▼右側面の上に銀色の大きな金属メタルのファインコントロール（ファインチューニングのダイヤル）、その下側に電源OFF/ON兼ボリュームつまみ、その奥に受信バンドSW/MWの切り替えスイッチがあります。
▼この時代のポータブルラジオの多くは電池交換毎に裏蓋全体を取り外す構造でしたが、この製品では本体背面の下側に専用の電池室があり、ワンタッチ式の開閉蓋（カバー）があります。
▼付属のT-46型ラジオ受信機専用ケースは、ビニールではなく、本革です。キャリングベルトは付け根から切れてありません。革本体の経年劣化、損傷部分を布切れと接着剤、塗料を用いて修復したところ、革ケースの内部がひと回り狭くなり、ラジオ本体が収納出来なくなりました。よって、この革製ケースは実用的ではございません。
▼革ケースのオモテ面には
『NATIONAL 2-BAND 8-TRANSISTOR（ナショナル2バンド 8石トランジスター）』の金箔標記が鮮明にあります。
◆革ケースの経年劣化、損傷部分は布切れと接着剤、塗料で修復しました。革の修復箇所が多々あります。
▼革ケース背面には
『MATSUSHITA ELECTORIC INDUSTRIAL CO.,LTD MADE IN JAPAN（松下電器産業 日本製）』の刻印があります。
《製品仕様》
・メーカー：松下電器産業 オーディオ事業部
・名称：ファイン・エイト
・型番：Model No.T-46
・受信バンド
MW:540〜1600 kc
SW:3.9〜10 Mc
・回路：8石スーパーヘテロダイン
・トランジスター：8石
・電源：DC-6Ｖ /単三乾電池 4本
・スピーカー：直径65mm
・外寸サイズ：158 mm x 94 mm x 36 mm
・重量：約470g
・生産国：Made in Japan、大阪
・発売時期：1961年
《商品の状態》
・半世紀以上前の中古品です。
・長年専用の革製ケースに収まっていたため、ラジオ本体は比較的綺麗な受胎です。
・本体には擦り傷や経年汚れがありますが、ラジオ内部も比較的綺麗な状態です。
・各スイッチやつまみ類はスムーズに稼働します。
・特徴的な松下電器の大きな金属先端のロッドアンテナは真っ直ぐに伸びます。
・この商品のクリーニング・調整等の作業期間中を通して、東京都板橋区における受信状況は、NHK第１、NHK第２、AFN (American Forces Network) ラジオ（アメリカ軍放送）、ＴＢＳラジオの受信を確認しました。東京首都圏のラジオ各局の受信状況は良好、元気なサウンドです。外国の短波放送はボリュームの音量を上げ、チューニング・ファインコントロール（ファインチューニング微調整）つまみ操作で受信出来きました。
・電池ボックスのカバーにあるスライド式ロックはスムーズに開閉出来ます。
・元箱、説明書、乾電池、イヤホンは付きません。
・松下電器の純製本革の専用ケースが付きますが、経年劣化、損傷や傷、亀裂、接着剤と塗料による修復跡があります。専用革ケースとしての役割を果たしていません。ただし、革ケースのオモテ面に標記された
「NATIONAL」という金箔の箔押し文字は鮮明な状態です。
・当店では、1961年発売時の性能を保証するものではございません。今から60年以上前に製造されたヴィンテージラジオ受信機です。
▼昭和36年発売当時の
ナショナル『ファイン・エイトT-46型』 広告
＊冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量（g）です。
