こちらの商品は、1990年代前半に山水電気(株)から発売されたAM（中波）放送ポケットラジオ受信機PR-15型です。
サンスイはかつて日本の「オーディオ・ステレオアンプ」の御三家として有名なメーカーでしたが、そのサンスイが1990年代に製造したポケットAM専用ラジオです。このPR-15型ラジオが登場しました同時期に２バンド（FM/AM）のステレオ放送ポケットラジオ受信機PT-35型も存在しますが、このPR-15型とPR-35型ともに中国製です。キャビネット内部のプリント基板は、トランジスターではなく、IC（集積回路）チップを1個使った回路構成となっています。ICと抵抗と電解コンデンサー、コイル、ポリバリコン、バーアンテナといった至ってシンプルな作りです。
▼本体背面の製品銘鈑にある受信周波数の表示：531-1602kHzの疑問な数字？日本向けの製品にしては中途半端な数字が気になります(^^♪
《製品仕様》
・メーカー： 山水電気 株式会社
・型番： Model PR-15
・受信バンド：中波・531〜1602kHz
※この中波531〜1602kHzの中途半端な周波数は異例。意味不明です。
・回路：スーパーヘテロダイン
・スピーカー：直径約5cm
・電源：DC 3V / 単三乾電池 2本
・外寸サイズ：約65mm X 約110mm X 約25mm
・発売時期：1990年代前半
・製造国：中国
《商品の状態》
・セコンドハンド・中古品です。
・極く小さな擦りキズがありますが、全体的には綺麗な状態です。
・中波放送が受信出来る稼働品です。
・東京都板橋区における受信状況は、中波：NHK第１、NHK第２、TBSラジオ、AFN (American Forces Network) ラジオ（アメリカ軍放送）、文化放送の受信を確認しました。
・元箱、説明書、イヤホン、乾電池は付きません。
◆山水電気は、1944年に創業。「SANSUI」のブランドが、高級アンプの代名詞として世界的な人気を博した。当時は、パイオニア、トリオ（現JVCケンウッド）と共に「オーディオ御三家」と、もてはやされていました。1984年10月期には約525億円の売り上げを計上するほどだった。ところが、デジタル化対応の遅れなどで1980年代後半から経営危機が表面化。外国企業への身売りを繰り返すことになった。1989年には、英国のポリー・ペック・インターナショナル社の傘下に入ったが、翌年には同社が破綻。2001年には香港のグランデ・グループの傘下に入ったものの2011年にはグランデの中核会社が事実上の倒産状態となり、資金支援を受けることが困難になった。2012年に東証一部上場を廃止、民事再生手続きを進めていたが、資金繰りが立ちゆかなくなりました。実際2000年代になってからは、オーディオ機器の製造からは撤退し、過去の製品のメンテナンスを続けながら経営再建を目指していた。2014年7月に破産した。
なお、SANSUIブランドの国内ライセンスは2012年にドウシシャが取得し、Bluetoothを使ったオーディオ製品を販売している。
ちなみに、このラジオ受信機は、1990年代に山水電気が香港の企業との関係を深めて行った時代、会社としての終焉を迎えようとしていた時期に中国で生産されたあまり知られていない製品です。そういう意味では悲しくもあり、また『希少なラジオ』です。
＊冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量（g）です。
Rev.: 2019-4-12 (Fraiday)
