こちらの商品は、昭和39年(1964年)に発売された
松下電器産業製の2バンド(FM+AM)5球スーパーラジオ受信機
Model No.RE-750Dです。1963年12月に東京で最初に
NHK-FM放送が始まり、その翌1964年までに全国各地でFM放送が行われるようになった。 これに伴い、オールバンドとして従来付いていた短波放送の受信機能は外され、
FM放送の受信機能が付いたことから、ラジオ本体左側のメッシュ状のアルミのスピーカーカバーには大きく
『 FM 』のエンブレムマークが付く。当時としては真空管式で、
FM放送が聴けることは画期的なことだったことがうかがえます。
1960年代前半、各社トランジスタラジオの普及に伴い真空管ラジオは次々と製造ラインから消えて行ったことから、時期的にこの松下電器RE-750Dの登場は真空管ラジオ時代の終わりを告げるものでした。1964年に一般家庭向けのホームラジオとして発売されながらも、実際は1960年代後半のナショナルの製品カタログにも掲載され続き、店頭からも消えて行きました。今日、時代は変わりラジオ愛好者の中には
FM放送を音色が温かい真空管式ラジオ受信機で聴きたい、というニーズがあります。今やラジオ放送は雑音ひとつな高音質でパソコンやスマートフォンのアプリでも聴ける時代になりましたが、真空管ならでは音色を楽しみたい方にお勧めの真空管式生産最終期の5球スーパーラジオ受信機です。
◆真空管式ラジオ受信機としてはコンパクトで、横幅サイズは約34cmです。
◆本体の背面にはFM放送・MW(中波)放送受信用のアンテナ端子がありますが、東京都板橋区の事務所においては新たに外部アンテナ線と接続することなく、このままで、高感度でラジオ放送を受信出来ました。
▼プラスチック製キャビネット。天面及び左右側面の外観には木目印刷が施されていましたが、ライトブラウンカラー(薄茶色)で再塗装されています。
▼本体キャビネットの内部。使用されている真空管は、17EW8・12BE6・12BA6・12AV6・30A5、そしてFM検波と整流にはダイオードが使用されている。
《製品仕様》
・メーカー:松下電器産業株式会社
・型番:Model No.RE-750D
・商標:ナショナルパナソニック(NATIONAL PANASONIC)
・受信周波数:2バンド(AM 535〜1605kc、FM:76〜90Mc)
・真空管:ST5球 トランスレス方式
・回路:5球スーパー
・スピーカー直径:約12cm
・電源:家庭用コンセント100V 25W
・本体サイズ:34cm X 14cm X 16cm
・生産国:日本
・当時の発売価格(現金払い):9,800円
・発売時期:昭和39年(1964年)
《商品の状態》
・昭和39年製の中古品です。
・本体外観の左右側面及び天板部分は、ライトブラウン(薄茶)色でコンプレッサー吹付けで再塗装されています。
・本体内部を清掃しました。
・チューニングダイヤルとバリコンを結ぶ内部のループ状のケーブル(糸)を張り直しました。
・ツマミやダイヤル等にベタベタ感はなく、きれいな状態です。
・アルミのメッシュ状スピーカーカバーや金属メッキのツマミ類はきれいな状態です。
・本体キャビネットの底の部分に液漏れ等の汚れはなく綺麗な状態です。
・コンセントプラグは、当時の三洋電機製が付いています。
・東京都板橋区の事務所における受信状況は、中波ではNHK第1、NHK第2、AFN (American Forces Network) ラジオ(アメリカ軍放送)、TBSラジオ、そしてFM放送ではFM東京、NHK-FM、J-WAVEの受信を確認しました。
・電源OFF/ONボリームのツマミはスムーズに回ります。
・FM/MW受信バンドの切り替えのツマミは少々硬いです。
・チューニングダイヤルはスムーズに回ります。
・本体の背面にはFM放送・MW(中波)放送受信用のアンテナ端子がありますが、東京都板橋区の事務所においては新たに外部アンテナ線と接続することなく、現状、高感度でラジオ放送を受信出来ました。
・画像にあるラジオ本体のみです。元箱、取扱説明書、イヤフォンは付きません。
Rev.:2020-6-1 (Monday.)