こちらの商品は、スタンダード無線工業株式会社から昭和41年(1966年)に発売された
『幻のマイクロ二ック・ルビー』とも言うわれる"
マイクロニック・ルビーSR-K71FJ "です。1964年から次々と発売された一連の8石トランジスターAM専用機から発展した11石トランジスター2バンドAM/FMで、
極小型ラジオ受信機『マイクロニック・ルビー』シリーズの終局の完結機として登場した最終アイテム、FM付きの2バンド、しかもこのマイクロ・シリーズ最大の11石トランジスター採用の
ハイグレード・最高級スペックです。
▲本体左上にある
『FM・AM』のエンブレムとその右横には丸形チューニングメーター、そして黒色の
"STANDARD"社ロゴマークと赤色の
"Micronic
Ruby"( マイクロニック・ルビー)製品名が標記されています。
▼本体背部には製品銘鈑のアルミ板、受信バンドAM/FM/AFC切替スイッチ、2本プラグ式イヤフォン用の2穴式イヤフォンジャツクがあります。
本体右側面にはチューニングダイヤル及び電源OFF/ON兼ボリュームつまみ、その下側にはスライド開閉式の電池ボックスの蓋があります。
数あるトランジスターラジオのなかでも側面からの電池交換方式は極めて数少ないです。
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参考画像:使用電源は従来のマイクロニック・ルビーではボタン電池2個でしたが、2バンドAM/FM 11石の当該品は3個を使用します。
電池は付きません。
なお、このボタン電池は現在製造されていませんが、類似品が「アマゾン」等のネット通販で販売されています。
※ボタン電池 1.35V (Mercury cells:E-640/RM-640) X 3個
▼電池ボックスの内部です。
◆スタンダード社純正の宝石箱のようなハードケースが付いています。
▼ケース内側のシルク内張りには
『 STANDARD Micronic Ruby 』と記載されています。
■ただ、この機種は、他の機種のようにバリコン直付けのチューニング方式とは異なり、バリコンとチューニングダイヤルは巻き上げリールとループ状のケーブル(細い糸)で繋がっています。この最終モデルでは、僅か6cmほどの本体でありながら
20cmほどの大きなポータブルラジオと同じような複雑なチューニングメーター構造であることが、このラジオ受信機の難点となっています。
この商品は現状「鳴りません」です。
《製品仕様》
・メーカー: スタンダード株式会社
・型番: Model No.SR-K71FJ 2
・商品名:マイクロニック ルビー
・受信バンド:
FM 76〜90 MHz(FMの周波数は国内仕様です。)
中波 540〜1600kHz
・回路:スーパーヘテロダイン
・トランジスター:11石
・スピーカー:直径約4cm
・電源:DC 4.05V / 水銀電池1.35V (Mercury cells:E-640/RM-640) X 3個
・外寸サイズ:横幅約68mm x 高さ約77mm x 厚み28mm
・発売時期:昭和41年 (1966年)
・製造国: MADE IN JAPAN
◆FM用のロッドアンテナは下向き固定から上部に180度回転させ、引き伸ばす構造です。
◆電池フォルダーの蓋はダイキャスト合金の一体構造です。通常、ラジオのこの種の蓋やカバーにはプラスチックが用いられるのですが、高級カメラと
同様に鋳造さらた合金が採用されることは異例です。しかも、1mmの狂いもなくピッタリのサイズで、この蓋はスライド開閉します。
《商品の状態》
・現状は鳴らない中古品です。
※この商品の仕入れ先によると「ほとんどがジャ〜ア〜・・・♪と雑音だがAM米軍放送だけは受信出来る、難あり品。最近もテストした。」という報告でしたが、実際は当店に入荷した段階では通電出来ない状態でした。
・この商品のチューニングメーターのダイヤルは、中波540〜700KHz辺り、FM76〜83MHz辺りで空転し、チューニングメーターのツマミを回しても
一向に動かない空転状態になります。それ以外の周波数については作動可能です。
・ラジオ本体の外観は、極く小さな擦りキズがある程度で比較的きれいな状態です。
・キャビネット本体の背面カバーを開いたところ、内部のプリント基板や構成部品はこの時代のものとしては比較的綺麗です。
・元箱、取扱説明書、イヤフォン、電池は付きません。
・豪華な黒いハードケースが付いています。
▼FM用ロッドアンテナの下に隠れている(+)ネジ1本が紛失しています。
▼バリコン軸とチューニングダイヤル軸を繋ぐリールとループ状のケーブル機構は画像では見えないプリント基板の裏側にあります。
・この商品のチューニングメーターのダイヤルは、中波540〜700KHz辺り、FM76〜83MHz辺りで空転し、
チューニングメーターのツマミが回しても一向に動かない空転状態になります。
それ以外の周波数については作動可能です。
・お客様ご自身でラジオを分解され、チューニング機構の細い糸を引き直し修理可能な方、あるいはスタンダード社のマイクロの大変希少な最終版・最上級機種としてコレクションされる方にお勧めです。
・電源OFF/ON・ボリュームのつまみはスムーズに周ります。
・FM/AMのバンド切替スイッチはスムーズに左右スライド出来ます。
*冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量(g)です。
Rev.: 2020-1-24 (金曜日)