こちらの商品は、1963年12月に日立製作所から発売されたModel No.WH-777 ハイフォニック・ジュニア短波・中波2バンドラジオ受信機です。ラジオのチューニング(同調)を容易にするため、チューニングメータに替わり、検波出力を増幅して同調時にランプが明るく点灯する方式が考案され、日立製作所では
『レーダー・チューニング』と名付けられた。
レーダー・チューニングは、当初1963年発売の8石トランジスターラジオWH-888型やWH-999型にも搭載され、続いて1963年12月に発売されたこの
WH-777型『ハイフォニック・ジュニア』7石トランジスターモデルにも搭載された。
チューニング(同調)表示窓は、真空管ラジオ時代のマジックアイを意識したのかグリーン(緑色)になっていて、左上にある丸いプッシュボタンを押したときだけグリーン(緑色)点灯するようになっている。
この方式では、グリーン(緑色)ランプ点灯用にトランジスターを1個使用していることから、ラジオそのものの回路としては、1石少ない6石トランジスターモデルに相当する。ただ、ヴィンテージ・トランジスターラジオのマニアとしては面白い受信機だと思えます。
◆本体サイズは、(約)幅:148mm X 高さ:78mm X 厚み:40mmです。
▲本体の左右にベルトや紐を引っ掛けっる金具が付いています。乾電池ボックスは本体の背後の右側にあります。
◆背後のカバーを留めるネジが紛失しています。なお、ネジなしでもカバーと爪部で固定可能です。
▼参考資料:1964年当時の日立のカタログには「光るラジオ! レーダーチュニング付き・2バンドのジュニアー」、「音を光でたしかめる!レーダーチューニング採用(実用新案申請中)」と記載されています。
▼本体の右側、日立のロゴマークの直ぐ上にある
レーダーチューニングのスクリーン。光るとグリーン(緑色)になります。
▲フロントグリルの右上のクリスタルグリーンーのスクリーンの内側が同調すると点灯する
「レーダーチューニング」機能付きの高級機。
現代のようなLED発光ダイオードのない昔の製品のため、特殊な豆電球が内蔵されています。常時点灯すると、電池が消耗するため、
左上の丸いボタン(黒色)を押した時のみ動作します。
▼ラジオの内部です。
《製品仕様》
・メーカー:日立製作所
・型番:Model WH-777
・受信バンド:中波(530〜1605 Kc)・短波(3.8〜12 Mc)
・トランジスター:7石(2SA353・ 2SA12・ 2SA353・ 2SB77・ 2SB75・ 2SB77・ 2SB77 )、いずれも日立製作所製
・マグネット8オームスピーカー直径: 6cm
・イヤフォン端子:3.5mm口径プラグに適合
・本体サイズ:148mm x 78mm x 40 mmm
・電源:DC-6V、単3乾電池 4本
・生産国:Made in Japan、日本
・発売の現金定価:6,150円、 月賦定価:6,500円
*当時としては高額品であったことから「現金一括払い」と「月賦・分割払い」の二通りの金額が提示されていました。
・製造時期:1963年 (昭和38年)12月
▼ラジオ本体の背面にあるアルミ板の銘版に表記されている1963年当時の
日立製作所の英文ロゴ文字はユニークな筆記体文字です。
《商品の状態》
・中古品、全体的には良品ですが擦りキズや経年汚れがあります。
・製品はクリーニング清掃処理済です。
・本体の内部は電池の液漏れはなく、綺麗な状態です。
・当店では、この製品が製造されたとき新品の時と同等の性能を保証するものではございません。
・電池フォルダーカバー(蓋)の内側には「検査合格証・製造シリアル番号」のラベルが貼られています。
・現在、ボリュームにガリ音等の障害なく、元気良く受信出来る稼働品です。
・各スイッチ及びつまみ・ダイヤルはスムーズ稼働しています。
・ここ東京都板橋区における3日間の清掃・調整期間中を通して、受信状況は、ロッドアンテナは使用せずにNHK第1、NHK第2、AFN (American Forces Network) ラジオ(アメリカ軍放送)、TBSラジオの受信を確認しました。
・レーダーチューニングの「クリスタルグリーン」スクリーンの豆電球は点灯します。
・イヤフォン、ロッドアンテナ、単三乾電池、革ケース及び手持ちベルト、紙箱、説明書は付きません。
▼ラジオ本体の背面の中央付近には受信バンド【中波・短波】の切換えrスイッチがあります。
▼電池フォルダーカバー(蓋)の内側には「検査合格証・製造シリアル番号」のラベルが貼られています。
*冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量(g)です。
Rev.:2021-2-11 (木曜日)