こちらの商品は、1960年代初期に旧西ドイツの模型メーカーGraupner Modellbauから発売された1924年〜1930年代中期まで活躍した
『ドルニエ ワールDo J(Dornier Wal Do J)』飛行艇のソリッドモデル(木製模型)です。
◆このモデルの主翼は、全幅約215mmです。縮尺は1/72スケールくらいです。
◆この実機
ドルニエ ワールDo J(Dornier Wal Do J)は、クラウディウス・ドルニエの手により設計・開発が行われた。初飛行は1924年。ワール(ドイツ語で「鯨」)という愛称でもよく知られている。ワールは縦列に並べた2機のエンジンと主翼を支柱で胴体よりも高い位置に配し、海上での安定を図るためスポンソンと呼ばれる小翼が胴体側面についている。機体は全金属製で胴体上部や翼は波板になっている。
第一次世界大戦の敗戦によりヴェルサイユ条約でドイツでは航空機の製造が禁止されていたため、ドルニエと技術提携していたイタリアのCMASA社で製造された。その後、スイスやスペイン・オランダ・日本(川崎造船所)でもライセンス生産された。ドイツで製造されるようになったのは1933年以降。各国でのライセンス生産も含めた総生産数は約300機になった。1925年の
アムンセン探検隊北極飛行や、1932年の
グロナウ世界一周飛行記録など、冒険飛行や記録飛行に使用された飛行艇。民間航空会社では、1934年に
ドイツ・ルフトハンザ航空はこの機を大西洋横断ルートに使用した。また日本では1927年に大阪空港⇔福岡空港間の
瀬戸内海航路などに就航した。その後の日本の国産の金属製機体の製造方法に多大の影響を与えた名機です。参考までに、この機の乗務員は3名+乗客9〜12人、最大速度230km/h、航続力8h、エンジン ロールスロイス製イーグル9水冷式V型12気筒エンジン360馬力2機、全幅22.5m、全長17.84mです。
▼参考画像:運行された当時のドイツの
『ドルニエ ワールDo J(Dornier Wal Do J)』飛行艇の実機、操縦席は風防付きオープンデッキ式になっている。胴体の左右側面には沢山の窓があります。
▼参考画像:運行された当時のドイツの
『ドルニエ ワールDo J(Dornier Wal Do J)』飛行艇の実機。操縦席はガラスで覆われている。
▼参考画像:1930年3月に建設された名島水上飛行場(現在の福岡県福岡市東区名島1-1)の多々良川河口付近にあった水上飛行機専用の飛行場の絵はがき。右側の飛行艇は大阪行きの
『ドルニエ ワールDo J(Dornier Wal Do J)』です。
▼参考画像:現在航空博物館に展示されている
『ドルニエ ワールDo J(Dornier Wal Do J)』実機で、胴体の左右にある窓ガラスは全て塞がれている特別仕様で、1932年7月21日〜11月10日、飛行艇による出発地ドイツ〜帰着地ドイツ『世界一周飛行』を成功させたウォルフガング・フォングロナウをはじめとする搭乗員4人が111日間をかけて成功させた。
■ソリドモデル
この飛行艇模型の主な素材は木製ですが、前後のプロペラは金属(ブリキ)製。プロペラはブリキ製。モデルの主翼は全幅約215mmで、縮尺は1/72スケールくらいです。保存状態は経年劣化・汚れ、擦り傷があります。
▼前方デッキには四角いハッチが描かれ、その後方が風防が付いた操縦席で、その直ぐ後ろの頭上にはプロペラがあります。
※この1960年代初期のソリッドモデルは英語で
「西ドイツ製」と書いてあることから東西ドイツが併合された1990年以前に組み立てられたモデルだと思われます。しかし、このソリッドモデルを組み立てたドイツ人は決して上手だとは言えません。日本人の一般的なモデラー(製作者)の方が遥かに腕が良いと思います。
*冒頭に記載の「サイズ」とは、商品出荷時の梱包後の目安総重量(グラム数)です。
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