こちらのソニー8F-48型という風変わりな名称のラジオは、1966年に発売された8F-38型 『ソリッドステートファミリD』のバリエーションとして1968年に登場しました。8F-38型が斬新なデザインであったことから1966年の通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」を受賞した、デザインが優れていると認められた名機でしたが、その後継機です。
8F-48型、その愛称の『ソリッドステートファミリ W』の"W"は「WOOD(木製)」の意味で、8F-38型のデザインのコンセプトを維持しながらプラスチック製から高級感ある木製キャビネットへ変更したものです。回路搭載トランジスターは9石です。
サイズは、幅(245mm)、高さ(255mm)、厚み(108mm)と意外とコンパクトな創りです。薄型の特異なデザインは、背面に持ち運び用の取っ手があり、その上、壁掛け用のねじ穴が設けられていることから、さまざまな使い方に対応したコンパクト設計のホームラジオと言えます。
ただ、この8F-48型では、据え置き型を重視したコンセプト設計になり、8F-38型にあった頭部の折り畳み式ロッドアンテナは消え、内蔵アンテナ棒と内蔵プレート(板)アンテナ、外部アンテナ端子となっています。
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参考画像:発売当時のSONYカタログ
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_42efeb.jpg)
1968年3月1日の発売開始に合わせて、このラジオ本体と同一デザインの『ステレオアダプタ』 STA-48型が併せて発売され、ラジオ本体「8F-48」+「STA-48」の両方を購入してセットにすることにより、簡単にFMのステレオ放送が楽しめます。ステレオアダプタはラジオから電源を取るようになっていて、専用のケーブルで接続すると、ラジオ本体の右に対して、ステレオの左チャンネルとして動作します。
その他、8F-48ラジオ本体の裏側には、テープレコーダー入力ジャックとフォノ入力ジャックがあり、別売りのソニーのレコードプレーヤーやテープレコーダーを繋いで楽しむことが出来ました。ちなみに、最初の8F-38型、SAT-38型の発売期間は1966年〜1968年で約3年間であったのに対して、この8F-48型、SAT-48型は1968年だけの僅か数ヶ月間で絶版となり、今日こちらのSONY製品は希少になっています。
こちらの商品は、その8F-48型ラジオに希少な専用のSAT-48型ステレオアダプターが付いたセット品です。電源コード、専用ケーブルを繋ぐだけで、直ぐにお使いいただける商品です。
冒頭の画像は、ステレオアダプタ STA-48型(左) 、とFM/AMラジオ 8F-48型(右)です。両方ともスピーカーカバーに”SONY SOLID STATE”のエンブレムが付いて引き立っています。
▼FM/AMラジオ 8F-48型のフロントパネル付近です。
右上の大きなツマミはチューニング(選局)。左(上)のホワイト色の丸いボタンはチューニングメーターの照明スイッチ、左(下)イヤホンジャック。そして、ワンタッチスイッチ左側からグレー色は電源「OFF」、中央は「FM放送」に切れ替え、右は「AM放送」に切り替えるスイッチです。右隅の小さなツマミは左から「TONE」、「ボリューム」です。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_997cd4.JPG)
▼8F-48型の左右側面です。製品名に「W(WOOD)」と名付けられているように、実際に木工加工されたキャビネットです。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_fef456.jpg)
▼8F-48型の裏側です。背面に持ち運び用の取っ手があります。壁掛け用のねじ穴が2つ設けられています。左下の隅に飛び出たリード線は2本、”ANT.”という名札は「アンテナ」線、”E”という名札は「アース」線です。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_c8ce8c.JPG)
▼8F-48型の電池ボックスを開いた画像です。乾電池で稼動する場合は単一乾電池4本を使用しますが、こちら商品にはAC電源コード(グレー色)が付いています。差込式のため、取り外しは自由です。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_86c25b.JPG)
▼8F-48型のコネクター部の拡大画像です。上からテープレコーダー。タイマー。中央の穴3個は「ステレオ アダプター」プラグ差込口。下は家庭用電源コード差込口です。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_c7eb71.JPG)
▼8F-48型の裏側右上は、FM放送の外部アンテナジャックです。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_73c77c.JPG)
▼8F-48型の裏側、「ステレオ アダプター」のプラグを差し込むとステレオ放送が楽しめます。専用の特殊な3連プラグです。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_49ab0a.jpg)
▼ステレオアダプター(SAT-48型)の黒いケーブルのプラグをこのラジオ(8F-48)側に差し込むとき、奥深く差し込みます。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_4dbdec.JPG)
▼8F-48型の底板です。ゴム足が付いています。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_03587e.JPG)
▼ステレオ アダプターSAT-48型のフロントパネル付近です。左の丸いシルバーリングは「STEREO」モードになっている場合は赤いパイロットランプが点灯します。左隅のツマミは左から「ボリューム」と「TONE」です。そして、ワンタッチスイッチ左側から「モノラル」、中央は「オート ステレオ」に切れ替え、右は「フォノ」に切り替えるスイッチです。右隅の穴は、イヤホンジャックです。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_190a39.JPG)
▼SAT-48型の左右の側面です。製品名に「W(WOOD)」と名付けられているように、実際に木工加工されたキャビネットです。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_c3ecf1.jpg)
▼SAT-48型の裏側です。背面に持ち運び用の取っ手があります。壁掛け用のねじ穴が2つ設けられています。こちらの「ステレオ アダプター」の電源はラジオ(8F-48型)から供給されます。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_5f2dba.JPG)
▼SAT-48型の裏側のケーブル収納ボックスを開いた画像です。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_7e7cb7.JPG)
▼上側のジャックは、テープレコーダー「R」と「L」の差込口。その下はタイマー「R」と「L」の差込口です。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_428ebb.JPG)
▼SAT-48型の裏側の左上はSONYの型式が書かれた銘盤です。中央には背面に持ち運び用の取っ手があります。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_274610.JPG)
▼SAT-48型の底板です。ゴム足が付いています。
![](https://palette.ocnk.net/data/palette/product/20140623_ffe15f.JPG)
《外観の状態》
・2台共に昭和40年代中期から数年間使用された中古品です。ヴィンテージラジオの愛好家を経て入荷した整備品です。
・中波とFM放送の2バンド、9石トランジスターラジオ受信機と11石ステレオアダプターのセットです。
・2台ともに本体のキャビネットは高級感あるウッド(木製)です。その外観には擦りキズや経年汚れがあります。
ラジオ(8F-48型)の木製キャビネット表面には木の捲れや傷を数箇所補修しています。
・付いているツマミはすべてSONY純正品、オリジナルのパーツです。
・繊維素材のスピーカー・カバーのタルミや破れはなく、良好です。
・キャビネット表面のチューニングメーター付近はクリヤーで綺麗です。
・キャビネット裏側の電池収納、ケーブル収納のカバーは、付いています。
・電池フォルダーは電池漏れもなく、綺麗です。
・キャビネット裏側の「PULL」ボタンを引っ張る電池収納のカバーは、スムーズに開閉できます。
《動作の確認》
8F-48型
・受信状態はAM、FM両バンドともにガリなし良好、好調に受信しています。
・各ツマミの動作良好。ワンタッチ式のFMとAMのバンド切替スイッチもスムーズに切り替わります。
・受信状況は東京都板橋区内の事務所にてMW(中波=NHK1,NHK2,TBS,文化放送、AFN TOKYO米軍放送、ニッポン放送)、FM(NHK,J-WAVE,FM-東京)の受信を確認しました。
・受信状態は FM-AM 共に好調、高感度ラジオであることを実感できます。
・チューニング(選局)、TONEコントロール、ボリュームのツマミはスムーズに回り、問題ございません。
・電源は家庭用コンセント、及び乾電池(単一乾電池4本)の両方が使用できます。
SAT-48型
・フロントパネル左の丸いシルバーリングは「STEREO」モードになっている場合は赤いパイロットランプが点灯します。
・「ボリューム」と「TONE」のツマミはスムーズに回り、機能しています。
・ワンタッチスイッチ「モノラル」、「オート ステレオ」、「フォノ」は切り替えるスイッチはスムーズです。
・キャビネット裏側の「PULL」ボタンを引っ張るケーブル収納のカバーは、スムーズに開閉できます。
《付属品》
・家庭用電源コード、ステレオアダプター接続専用ケーブル
注)、取扱説明書、イヤホン、乾電池は付きません。
なお、上記に記載したサイズは商品梱包出荷時の見込み重量(g)です。
Rev.: 2014.06.20 Fri.