こちらのソニーTR-815B ラジオ(2バンド・中波535-1605KC・短波3.9-12MC TON HI LO/FINETUN/DIAL LIGHT SUPER SENSITIVE)が発売された1960年は日本でカラーテレビの本放送開始され、その年ソニーが世界初のトランジスタテレビを発売した年。昭和35年の公務員の月給13,000円程度だった当時、13,000円で発売された当時としては高額なラジオ受信機です。
このポータブルラジオの外観は横幅20cm近いやや大きめの四角四面の典型的なトランジスタラジオです。ただ、特筆すべきスペックはキャビネット内部を観ると、ギヤ駆動される大型の三連エアバリコンがあり、横幅いっぱいに内蔵されているロングサイズのバーアンテナは受信感度の向上のために採用されたと思われます。また選局操作はメイン・チューニングの他に"FINE TUN."(ファイン・チューニング)のツマミが設けられている性能を重視した高級仕様です。
チューニングメーターのバックボードがブラックで金色文字の高級感を醸し出し、 左右に動くカーソルも同じく金色。キャビネットのフロントグリルには輝くシルバーとゴールドカラーのパーツが使われていますが、この時代を反映しているようです。スイッチ及びツマミはオーソドックスに白色で統一されています。
▼キャビネット内部を観ると、大型の三連バリコンがあり、横幅いっぱいのロングサイズのバーアンテナは受信感度の向上のために採用されたと思われます。
▼付属品の白い円柱形の乾電池フォルダー(単二乾電池3本挿入)は破損や目立った汚れはなく、綺麗です。
※内蔵の電子パーツは全てオリジナルで現存稼働品です。
■製品仕様
・モデル名:TR-815-B
・受信バンド:中波535〜1605KC・短波3.9〜12MC
・電源:DC4.5V(単二乾電池・3本)
・使用トランジスタ:8石( 2T201・2T201・2T769・2T768・2T652・2T651・2T323・ 2T323)
・無歪出力:150mW
・外寸:195mm x 110mm x 50 mm
・重量:700g
・発売年:1960年9月
・製造国:Tokyo, Japan /日本製
・シリアル番号の製品検査官押印:宮下さん
・当時の発売価格:13,000円(本体:12,200円+付属カバー:800円)
■商品の状態/動作確認
*昭和35年に発売された中古の稼働品です。
*ラジオ外観のキャビネットカラーは(パソコン画像では)ピンク色に見えますが、実際の色は落ち着いた色合いのサーモンピンク色です。
*サーモンピンク色のキャビネットにひび割れが1箇所あり(画像:(1)参照)エポキシ系接着剤で修理されています。同じくサーモンピンク色のキャビネットの
角が1箇所三角形に欠けて修理されています(画像:(2)参照)。
この修理箇所以外は擦り傷等は少なく、ベタベタ感や目立った汚れもなく、比較的綺麗な状態です。
*受信状況は東京・板橋区内の事務所にてロッドアンテナを伸ばさなくても、中波放送(NHK第一放送、NHK第二放送、TBSラジオ、文化放送、
AFN米軍放送、ニッポン放送など各局)の受信を確認しました。
*ON/OFF・ボリュームのツマミを回すときにガリ(雑音)が発生します。通常の放送受信時のガリは発生せず、正常です。
*チューニングメーターのツマミはスムーズに回り選局出来ます。
*"FINE TUN."(ファイン・チューニング)のツマミはスムーズに回ります。
*ライト点灯のボタンを押すとダイヤルメーターの内部照明が正常に点灯します。
*ロッドアンテナは真っ直ぐに伸びます。アンテナの先端丸い金具も付いています。
*ラジオ・キャビネットの内部は電池液漏れ跡もなく、綺麗です。
*付属品の乾電池フォルダーは破損や汚れはなく、綺麗です。
▼ラジオ・キャビネット左側面の白いスイッチはトーン"H"(高)と"L"(低)の切り替えスイッチ。
▼ラジオ・キャビネット右側面の下にある黒い四角の穴はイヤフォン差込み端子です。
※キャビネットの左右にはフック金具が付いていますが、革製の専用ケースは付属していません。
▼フロントグリルでゴールドに輝くSONYロゴメーク。
▼ラジオ・キャビネット裏側のModel: TR-815-Bの製品銘板。
◆取扱説明書、イヤフォン、乾電池は付きません。
なお、上記に記載したサイズは商品梱包出荷時の見込み重量(g)です。
Rev.: 2015.12.22 Tue.