こちらの商品は、わが国の高度成長期の昭和37年(1962年)にシャープから発売された真空管ラジオです。昭和30年代後半のテレビのホームドラマや映画でお茶の間(居間)のタンスの上に置かれた姿がよく映っていた懐かしい横長にワイドな真空管ラジオです。それまでの昭和30年代前半のラジオ受信機の主流は木製キャビネットでしたが、モダンなプラスチック材が使用され、左右2スピーカーモデルでキャビネットやフロントパネルは当時のアメリカンスタイルです。半世紀以上前の真空管ラジオですが、なんとも言えない雰囲気を味わうことが出来るデザインです。
ただし、未修理・未整備の商品につき、骨董コレクション品あるいはテレビや映画の小道具としては適していますが、実用稼働には問題があります。
▼電源ON/OFF・ボリュームつまみを回すと、フロントグリルにあるオレンジ色のパイロットランプが点灯します。
▼三つのつまみが並ぶフロントグリル中央付近。
▼フロントグリルの右側付近。
▼キャビネットの裏板(左)
▼キャビネットの裏板(右)、電気アース黒線、電源コードとプラグはシャープの原形が付いています。
▼本体背面に並ぶ外部ターミナル。
▼本体内部の左側付近。
▼本体内部の右側付近。
▼本体キャビネットの底。
《製品仕様》
・メーカー:早川電機工業(SHARP)
・名称:シャープラジオ
・型番:Model FM-20
・受信バンド:FM/中波/短波
・受信周波数 : FM 76〜90MHz/中波 530KC〜1650KC/短波 3.9MC〜12MC
・トランスレス真空管〔mT管〕:12BE6(周波数変換)・17EW8(FMラジオ用チューナー管)・12BA6(中間周波数増幅用)・12AV6(検波増幅用)・30A5(電力増幅用)
・電源 : 50〜60c/s 100V
・消費電力 : 0.25A 22W
・外寸サイズ : 全高約15cm ×横幅約50cm×奥行約14cm(16.5cm突起部含む)
・発売時期:昭和37年
・製造国表示:日本製
《商品の状態》
・半世紀以上前の中古品です。
・整備されていない現状販売ですので、日常使用・実用稼働には適しません。
・東京都板橋区における受信状況は、不安定ながらNHK第2、TBSラジオ,AFN (American Forces Network) ラジオ(アメリカ軍放送)、文化放送及びFM(NHK-FM、FM TOKYO、J-Wave)が受信出来ましたが、NHK第1放送はチューニング出来ませんでした。
・電源ON/OFF・ボリュームつまみを回すと、フロントグリルにあるオレンジ色のパイロットランプが点灯します。
・残念なのがバンド切替が接触不良を起こしており、つまりを回してもFM/MW/SWの選択が出来ない場合があります。また、チューニングつまみについてもチューニングパネルメーターの700kHz付近から左方向にはつまみが回りません。更にその逆回り700kHz付近〜1600KHzについては可動しますが、つまみが空回りする場合があります。チューニングつまみにはグラグラ感があります。
▼チューニングつまみと連動している内部のバリコンの巻き上げリールやケーブル糸がスムーズに動かない状態です。
・外観は、プラスチック製キャビネットに擦り傷があるものの、パーツの欠品も無く全体的には美品の部類です。
・裏蓋を取外すと、年代相応のホコリが溜まっています。修理された形跡は無い状態です。
・電源コードと電気アースは原形が付いています。
・箱、取扱説明書は付きません。
*冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量(g)です。
Rev.: 2017- 1-18 (水曜日)