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こちらの商品は、昭和36年発売された日立の"BETTY" WH-761 SW/BC 7石トランジスタラジオ受信機です。さすが"HITACHI"マーク入りの自社製造トランジスタを用いた逸品です。落ち着いたサイモンピンクのキャビネット、フロントは銀色を基調とし、スピーカーには華やかなシルバーメッシュ・カバーを装うポケッタブル受信機です。

周波数表示の上下二段構え　広角でワイドビューのチューニングメータースタイルも当時の大きな工夫であり、縦長の本体キャビネットの周波数表示部は横シマラインの飾りに透明アクリールカバーを採用。こうした当時としてはとても斬新なデザインのみならず、この時代の中型ポータブルサイズはさて置き、全長11cmのポケットサイズとしては珍しく、受信バンドは短波放送が付いていますが、これは当時北米向け輸出にあたり、アメリカのマリンボートやヨット等の小型船舶ユーザーに向けたShortwave / Marine Band - 4.5 Mhz range・海洋向け放送の受信をポケットサイズに付加した日立の営業戦力商品となっています。　

▼フロントグリルは斬新な横しまラインの銀色ベース上に透明アクリールカバーを採用した WH-761 ポケッタブルラジオ。


▼参考画像：日立トランジスタラジオのアメリカ雑誌広告の当該ラジオ【1961年当時】

《製品仕様》
・メーカー：株式会社日立製作所
・ニックネーム："BETTY"（ベティ―）
・型番：Model WH-761
・受信バンド
　BC:535〜1600kHz
　SW:3.8〜12.0 MHz
　　　　※SW放送の受信は、ロッドアンテナ取付けまたはアンテナリード線への接続が必要です。
・トランジスタ：７石（2N218、2N218、HJ70、HJ70、2N217、2N217、2N215）
・スピーカー直径：5cm
・電源：9Ｖ／Ｐ006乾電池　1本
・外寸サイズ： 113mm x 71mm x 30mm
・発売時期：昭和36年（1961年）
・製造国表示：MADE IN JAPAN、日本


《商品の状態》
・セコンドハンド・中古品、ラジオ受信機の愛好家のコレクション品でした。
・性能：電源・ボリュームのつまみは回すとき雑音が発生することがあります。
・東京都板橋区における受信状況は、NHK第１、NHK第２、TBSラジオ、AFN (American Forces Network) ラジオ（アメリカ軍放送）、文化放送を元気に受信出来ます。
・サーモンピンク色のキャビネットの一部に修理箇所があります。
・日立純正の携帯用ケースが付きますが、革の専用ケースは経年劣化、擦れ、破損個所があります。
・この商品は、中古の稼働品ですが、1961年発売当時の性能を保証するものではございません。
・紙箱、説明書、乾電池、イヤホンは付きません。

＊冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量（g）です。

Rev.: 2017-3-6 (月曜日）


▼キャビネット上部の左側がロッドアンテナねじ込み口、右側が直径3.5mmプラグ用のイヤホン端子です。この位置にイヤホン端子があるのは異例だと思います。

▼"BC"及び"SW"の2バンドのチューニングつまみとボリュームつまみは右側面に二重レイアウトになっています。

▼チューニングメーターは上部の「短波」と下部の「中波」は同時に動きます。そのバンド切替スイッチは左側面にあります。

▼フロント右下に付く金属製の日立エンブレムは、つや消しの黒地に"HITACHI"の頭文字「ｈ」を金の飾り文字が浮き出たシックなデザインです。

▼内蔵バーアンテナは、僅か6cmの小型ですが中波の受信感度は良好です。
なお、短波放送の受信についてはロッドアンテナ取付けまたはアンテナリード線への接続が必要です。

◆キャビネットの蓋（カバー）内側に貼られた金の色紙の銘鈑。会社ロゴ・"HITACHI TRANSISTOR RADIO"の標記と並んで愛称「"BETTY"（ベティ―）"」の表記がりますが。この1960年初頭の日立の真空管ラジオやトランジスターラジオにも可愛いニックネームがついていました。

▼キャビネットの蓋（カバー）内側に貼られた『トランジスタレイアウト』の図です。このラジオに採用されたトランジスタ７個の型番が極細文字で印刷されています。その上には、品質検査済の『ＯＫ』印が押されています。

▼キャビネット内部のプリント基板。トランジスターは特徴的な頭部が金色に輝くゴールド（金）ヘッドの日立製作所の自社製造トランジスター　缶タイプの初期タイプです。


▼サーモンピンク色のキャビネットの一部、欠けた個所に修復があります。

▼乾電池フォルダー