こちらの商品は、1950年代末期の懐かしい ”SONY MODEL TR-710-B MW/SW 2BAND” トランジスターラジオで、２バンド（短波つき）ラジオとしては比較的初期のものです。また、当時ソニーのラジオとしては珍しい3ボルト電源・単二乾電池２本のみで使用出来ます。
▼参考画像：昭和34年当時の新聞広告では『３Ｖ／高能率３００時間』と謳っています。
先に発売されたMODEL TR-710（1958年12月、価格12,900円）に続き、1959年10月に発売された MODEL TR-710-B です。1959年に発売された「B型」の方は11,500円でした。
当時、「世界で一番小さい手のひらの上に載る２バンドラジオ、ソニーの新型グロン・トランジスター採用により、受信感度は鋭敏。」という宣伝文句で発売された。ただ、昭和34年発売当時のこのラジオの価格は11,500円でしたが、当時大卒初任給が約13,500円であったことからすると、随分と結構高価なラジオでした。
▼参考画像：昭和34年発売当時のソニーカタログです。
《製品仕様》
・名称：ソニー(株)
・型番：Model TR-710B
・受信バンド
MW: 525〜1605kc
SW: 3.9〜12Mc
・回路：スーパーヘテロダイン
・トランジスター： 7石
・電源：DC-3Ｖ /単二乾電池 2本
・出力：150mＷ
・外寸サイズ：約155mm x 92mm x 40mm
・重量：400g
・生産国：日本・東京
・発売時期：1959年
・発売時の価格11,500円
▼このTR-710-Bラジオ受信機のキャビネット内部です。
◆このラジオのユニークなチューニングのメカニズムです。面白い構造です。
《商品の状態》
・セコンドハンド・中古品です。
・チューニングメーカーのアクリールカバーに全長約23mmの傷が一本あります。またキャビネットには擦りキズや経年汚れがありますが、ラジオ内部は綺麗な状態です。
・東京都板橋区における受信状況は、NHK第１、NHK第２、AFN (American Forces Network) ラジオ（アメリカ軍放送）、ＴＢＳラジオの受信を確認しました。
・元箱、説明書、ロッドアンテナ、イヤホンは付きません。
＊冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量（g）です。
Rev.: 2017- 4-22 (土曜日）
▲外寸サイズは15.5cmで、ポータブルでも比較的コンパクトな設計です。
▼米ソ冷戦時代のラジオ受信機
周波数表示の600kHzと700kHzの間と1200kHzの少し上にある２箇所の▼（三角マーク）は何なのでしょうか。近年のラジオにはこのようなマークはありません。
640ｋHｚと1240ｋHzに付けられたマークだったのです。当時は、ソ連とアメリカ側との冷戦時代で核攻撃の恐怖が現実のものだったのです。
アメリカでは核攻撃により、アメリカ各地の一般ラジオ放送局が破壊されても、大丈夫なように国防総省管轄の臨時放送局が準備されていました。その周波数が上記の２つの周波数です。当時、このソニー製品に限らず、アメリカに輸出される日本製ラジオにはこの▼（三角マーク）が振り付けれていました。
▲背面のほぼ中央にあるネジを（OPEN方向に、）回すとキャビネットの蓋が開きます。
▲当時ソニーのラジオとしては珍しい3ボルト電源・単二乾電池２本のみで使用出来まる２バンド ラジオ受信機です。
＊冒頭に記載のサイズ (g) は、商品出荷時の梱包目安となる総重量（g）です。
Rev.: 2017- 4-22 (土曜日）
