幻のプラモデル・三和模型 1/120「ミゼット」シリーズ kit No.103 セスナ180型軽飛行機・武田薬品ビタミン錠オマケ・1960-1962年プラモデルキット [Item No.PU21S9-01]
幻のプラモデル・三和模型 1/120「ミゼット」シリーズ kit No.103 セスナ180型軽飛行機・武田薬品ビタミン錠オマケ・1960-1962年プラモデルキット
[Item No.PU21S9-01]
販売価格: 3,410円(税込)
サイズ: 300g
こちらの商品は、大変希少な1960年代初期の三和模型製 1/120「ミゼット」シリーズ kit No.103 セスナ 180型 軽飛行機のプラモデルを当時ビタミン錠剤の販売促進用とした武田薬品工業の非売品オマケです。昭和36〜37年当時に、薬局で武田薬品工業の各種ビタミン錠剤を一箱購入すると、いずれかの三和模型製 1/120「ミゼット」シリーズの飛行機が1つ付いて来ました。
この三和模型の「ミゼットシリーズ」(スケールは1/120)が登場発売した1960年代初めの同時期には、他の国産プラモデルメーカーからも「ミゼットシリーズ」と同様の小スケールの駄玩的航空機プラモが発売されていました。具体的には、三共模型製作所の「ピーナツシリーズ」(スケールは1/150)、マルサンの「マッチ箱シリーズ」(スケールは1/155〜1/600。いわゆる箱スケール)、日本模型(ニチモ)の「プラペットシリーズ」(スケールは1/120)、三和模型の「ミゼットシリーズ」(スケールは1/120)、マルフジの「ベビープラモデル」(スケールは1/120)、タミヤの「1/250フライトシリーズ」(スケールは1/250)等。主に、近所の駄菓子屋さんで扱われたことから『駄玩具』とも呼ばれたプラモデルです。
このプラモデルの特徴は廉価版的な小スケールキットのシリーズで、基本的には縮尺は1/120スケール、パーツの構成は胴体や主翼などの機体の各部が一体整形された簡素なもので、初期は紙箱入りではなく、一枚の台紙の表裏に箱絵と組立図を印刷してパーツと一緒にビニール袋に詰めれてホッチキス留めされた簡易包装の製品。
▼参考画像:三和模型 1/120「ミゼット」シリーズの簡易包装による製品。
ところが、その後キャラメルボックスのような紙箱(サイズ、縦:15mm X 横:115mm X 高さ:15mm)入りが登場した。
価格は30円、35円であり、大型機のキットは50円と少々高額だった。販売は全国の玩具店や模型店のほか、駄菓子屋でも広く取り扱われた。
この三和模型の製品は、昭和36年、37年(1962年)当時の科学教材社の月刊誌『模型とラジオ』の広告や三ツ星商店(浅草の大手玩具問屋、2003年4月倒産)の製品カタログなどによるとラインナップは、F4U" コルセア"艦上戦闘機、ユンカースJu87、ノースアメリカンF86Fセイバー、ロッキードF104C-J戦闘機、ノースアメリカン実験機 X15、セスナ180など29種類です。
◆参考画像:昭和37年(1962年)当時の科学教材社の月刊誌『模型とラジオ』
および週刊『少年マガジン』の紙面に掲載された三和模型の広告
広告には、全長 各70〜80mm、各30円と書かれています。
▼当該商品、「武田薬品工業株式会社」の社名が記載されています。
さて、以上の前書きが長くなりましたが、こちらの商品は、箱入りです。商品の状態は袋から未開封、未組立品です。ただ、付属のデカールや金属チューブ入りセメダイン(接着剤)は製造から半世紀以上が経ち、劣化していると思われます。紙箱の状態は当時の物としては良好です。
なお、こちらの商品は、kit No.103 セスナ 180型 軽飛行機、標題の商品1点のみです。このページにある参考画像や参考のために記載した製品は付きません。
▼紙箱の裏側が組立図です。
◆特記事項:付属のデカールや金属チューブ入りセメダイン(接着剤)は製造から半世紀以上が経ち、すでに劣化していると思われます。
▼参考画像:この箱のデザインは、右上にある三和模型の「Sanwa PLASTIC」のロゴマークを武田薬品に差し替えられています。
付属のデカールについて、三和模型の市販品は『朝日新聞社』のマークになっていたのに対して、こちらの武田薬品では三角形の『タケダ』マークに変更されていた。ところが、デカールの機体番号に変更はなく、「JA3059」に変わりない。参考までに、このセスナ180型・機体番号:JA3059『さち風』は1953年に朝日新聞社機として、JA登録。1956年には第1次南極観測隊「宗谷」の搭載機として南極で運用された。三和模型は1961年前後、東京国際空港(羽田)を駐機場にしていたこの頃の「さち風」をモデルにしたようです。セスナは戦後日本で最も使われた軽飛行機だったようですが、とりわけ、このJA3095は南極をも飛び回って、最も活躍した機体でした。
*冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量(g)です。
Rev.:2021-9-6 (月曜日)
この三和模型の「ミゼットシリーズ」(スケールは1/120)が登場発売した1960年代初めの同時期には、他の国産プラモデルメーカーからも「ミゼットシリーズ」と同様の小スケールの駄玩的航空機プラモが発売されていました。具体的には、三共模型製作所の「ピーナツシリーズ」(スケールは1/150)、マルサンの「マッチ箱シリーズ」(スケールは1/155〜1/600。いわゆる箱スケール)、日本模型(ニチモ)の「プラペットシリーズ」(スケールは1/120)、三和模型の「ミゼットシリーズ」(スケールは1/120)、マルフジの「ベビープラモデル」(スケールは1/120)、タミヤの「1/250フライトシリーズ」(スケールは1/250)等。主に、近所の駄菓子屋さんで扱われたことから『駄玩具』とも呼ばれたプラモデルです。
このプラモデルの特徴は廉価版的な小スケールキットのシリーズで、基本的には縮尺は1/120スケール、パーツの構成は胴体や主翼などの機体の各部が一体整形された簡素なもので、初期は紙箱入りではなく、一枚の台紙の表裏に箱絵と組立図を印刷してパーツと一緒にビニール袋に詰めれてホッチキス留めされた簡易包装の製品。
▼参考画像:三和模型 1/120「ミゼット」シリーズの簡易包装による製品。
ところが、その後キャラメルボックスのような紙箱(サイズ、縦:15mm X 横:115mm X 高さ:15mm)入りが登場した。
価格は30円、35円であり、大型機のキットは50円と少々高額だった。販売は全国の玩具店や模型店のほか、駄菓子屋でも広く取り扱われた。
この三和模型の製品は、昭和36年、37年(1962年)当時の科学教材社の月刊誌『模型とラジオ』の広告や三ツ星商店(浅草の大手玩具問屋、2003年4月倒産)の製品カタログなどによるとラインナップは、F4U" コルセア"艦上戦闘機、ユンカースJu87、ノースアメリカンF86Fセイバー、ロッキードF104C-J戦闘機、ノースアメリカン実験機 X15、セスナ180など29種類です。
◆参考画像:昭和37年(1962年)当時の科学教材社の月刊誌『模型とラジオ』
および週刊『少年マガジン』の紙面に掲載された三和模型の広告
広告には、全長 各70〜80mm、各30円と書かれています。
▼当該商品、「武田薬品工業株式会社」の社名が記載されています。
さて、以上の前書きが長くなりましたが、こちらの商品は、箱入りです。商品の状態は袋から未開封、未組立品です。ただ、付属のデカールや金属チューブ入りセメダイン(接着剤)は製造から半世紀以上が経ち、劣化していると思われます。紙箱の状態は当時の物としては良好です。
なお、こちらの商品は、kit No.103 セスナ 180型 軽飛行機、標題の商品1点のみです。このページにある参考画像や参考のために記載した製品は付きません。
▼紙箱の裏側が組立図です。
◆特記事項:付属のデカールや金属チューブ入りセメダイン(接着剤)は製造から半世紀以上が経ち、すでに劣化していると思われます。
▼参考画像:この箱のデザインは、右上にある三和模型の「Sanwa PLASTIC」のロゴマークを武田薬品に差し替えられています。
付属のデカールについて、三和模型の市販品は『朝日新聞社』のマークになっていたのに対して、こちらの武田薬品では三角形の『タケダ』マークに変更されていた。ところが、デカールの機体番号に変更はなく、「JA3059」に変わりない。参考までに、このセスナ180型・機体番号:JA3059『さち風』は1953年に朝日新聞社機として、JA登録。1956年には第1次南極観測隊「宗谷」の搭載機として南極で運用された。三和模型は1961年前後、東京国際空港(羽田)を駐機場にしていたこの頃の「さち風」をモデルにしたようです。セスナは戦後日本で最も使われた軽飛行機だったようですが、とりわけ、このJA3095は南極をも飛び回って、最も活躍した機体でした。
*冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量(g)です。
Rev.:2021-9-6 (月曜日)
追加の写真
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*冒頭に記載のサイズは、商品出荷時の梱包目安総重量(g)です。
Rev.:2021-9-6 (月曜日)
今はなき国産初期のプラモデルメーカー(株)三和模型とは、
東京都台東区蔵前の三和模型は、ソリッド(木製)時代から模型の老舗メーカーです。1959年には最初のプラスチックモデルを発売し、企業イメージは高額の大きな出来の良い精密モデルと言うよりか、子供達に密着したプラモデルを発売し続けました。容易に子供達の手が伸びる30円、50円、100円のモデルがメインでした。1962年には生産数、発売数において他社を圧倒し、日本全国の模型店や駄菓子屋の隅々までプラモデルを浸透させました。ところが、子供達は次第に精度の高いプラモデルを認識する目を養って行ったことから販売に陰りが到来、昭和39年(1964年)営業不振により倒産。同年、後継メーカーとして東京プラモ(Tokyo Plamo Co.,Ltd.)が三和模型の金型を受け継ぎ製造を続けましたが、やはり1967年に東京プラモも倒産してしまいました。昔、近所の駄菓子屋で1箱30円、35円で買った少年時代、あるいは、お父さんが近所の薬局で買った疲労回復薬「アリナミン(武田薬品)」のオマケに付いてきた三和模型プラモデル。それから半世紀以上が経ちました。日本の高度成長期、どこのお父さんも仕事に追われて疲れ切っていました。この武田薬品のオマケのプラモデルの紙箱を観ていると懐かしい少年時代が脳裏に浮かんでくるようです。
◆参考画像:三和模型 1/120「ミゼット」シリーズの簡易包装による製品。
◆参考画像:三和模型 1/120「ミゼット」シリーズの簡易包装による製品。
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▼参考文献:今回、上記の説明に当たり、『20世紀飛行機プラモデル大全 平塚コレクションの世界(平塚製菓社長 平塚正幸)(2004年、文春ネスコ出版)』を参照しました。
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