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◆マニアのひろば◆ ビンテージラジオは何処で買う?


~ 6つを検証する個人的見解 ~
 

                  宮城県仙台市在住 ペンネーム:青葉のラジオオタクさん

1)国内・ネットオークションで購入する
 今日、ヤフーや楽天のネットオークションには沢山の中古ラジオが出品されています。ラジオのコレクターにも人気の珍しい国産真空管ラジオや創世記のトランジスターポケットラジオなども出品されることがあります。なかでもヤフーには「アンティーク」ラジオのカテゴリーがあり、常時2,000件以上が出品されています。壊れた「ジャンク品」、簡単に「鳴ります。写真でご判断ください。」、「動作良好・・・・。」など様々な説明があります。そうした中から簡単な説明のみの出品者さんへ質問しても的確な回答がなかったり、あるいは2、3日経過しても「未回答」のまま、質問を無視されることも少なくない。

 一番多いのは説明文に「写真でご判断ください」、「ノークレーム・ノーリターン・・・」、「神経質な方は入札お断り」と言うもの。 ラジオについて2、3点質問を入れただけで「神経質な人」と見なされるのも困ったものです。

 出品者から取引きナビの第1報の冒頭には「さて、本商品については商品説明欄をご熟読のうえの落札であると思います。・・・」と記載して落札者には有無を言わせない人も少なくない。

 出品地「大阪府」。ヤフーオークションのラジオ/アンティークを出品している人の多くは「大阪」である事実、大阪は国内最大の家電の古物商の集積地であることから中古ラジオも豊富、一般個人でありながらもプロ化している出品者にとって容易に仕入れができるところです。

 出品説明の中に「当方が指定した宅配業者以外は利用できません。」とあり、その上なぜか、その指定業者の大半は「佐川急便」なのか? 頻繁に出品した商品を出荷するので(実際は大幅な値引きしてもらえるため) 300~500円くらいの利ざやを稼げる仕組み。ただし、ヤマト宅急便やゆうパックと比較して受け取る側(落札者)にとって「配達時間帯」がルーズ、取扱が乱暴なことが多発するのは佐川急便さん。

 それから、運良くネットオーションでラジオを落札しても送料に関するトラブルは絶えない。 出品説明の中に大手運送会社の料金表を貼り付け、例えば宮城県は「740円」としておきながら、実際には「1,370円」を請求されたことは何度かあります。それは、”STORE(店舗業者)”の標記がない一般個人の場合、あるいは(「仕事の都合により御連絡は夜間になります・・・。急な出張で直ぐに連絡が出来ない・・・。」などと記載されている明らかに一般個人の場合、商品は異なっていても常時頻繁に商品を出品している人は少なくない(注:それは出品者の評価をチェックすれば判明する)。個人であっても、商品を頻繁に出品している人の説明はほぼ「定形フォーム」化されている所にトラブルの原因が潜んでいると思います。 勿論、中には大変真面目な良い出品者もおられることを付け加えておきます。

2)海外・ネットオークションで購入する
 世界的規模の大手・ネットオークション・サイトは米国のeBayだろう。トランジスターラジオだけでも常時3千~4千件、真空管ラジオともなると常時5千~6千件が出品されている。これには日本人相手のオークション落札の代行業者も存在するが、多少英語の分かる方はご自分で入札&落札からお支払いまでを行った方がスムーズです。参考までに、「無料!eBay 日本語ガイド<http://www.nihon5guide.com/>」という親切なインターネットサイトもあり、入札・落札・支払い・お問い合わせ・評価など一通りの日本語と英語の対訳例文集として活用できます。

 出品説明には出荷は「アメリカ国内のみ。」、発送方法は「”USPS Priority Mail International”のみ。」という頑固者が意外と多いことです。 入札前に出品者とメールで交渉して「日本へ発送OK」の回答をくれるアメリカ人がいる一方、断られる場合も少なくない。そして、送料について言えば”USPS Priority Mail International :68ドル”と記載の出品者に”USPS First Mail International(日本で言う定形外郵便):17ドル”への変更をお願いしてもきっぱりと断られたこともあります。51ドルで落札したゼネラル・エレクトリック社のラジオを68ドルを要して日本に送ってくるというのも可笑しな話です。

 それから、米国に限らず海外ネットオークションで忘れてはならないコスト(経費)として、「ハンドリング レート(チャージ)」というものが存在し、送料とは別に(業者と個人の関係なく)手数料を請求されることです。インボイス(請求書)には”Shipping and handling rate”と記載されていますが、郵便代金実費に手数料が加算されているという意味です。僕たち日本人にはピンとこない不思議な「手数料」、普通だいたい送料の10%前後、中には20%以上を請求してきた人もいました。  オークションは時間延長はなく、定刻で終了するので気持ちがいい。人気のビンテージ・ラジオともなると終了時刻の数秒前に入札が集中するので状況を見ながらも、自分は何ドルを入札するかを予め決めておく必要がある。6日前から49ドルで出品されているコンディションの良いSONYのマイクロ・ポケットサイズのラジオが終了前日でも81ドル、当日でも102ドル、それが終了数秒前には346ドルに高騰して終わったこともある。僕の場合は、終了する8~10秒前に入札していますが、このような高騰は想定外でした。

 しかし、状態の良いラジオを安く落札したことは多々あります。ラジオが無事届きいた後、「仙台七夕まつり」の絵はがきを送ったら、毎年クリスマスカードを送ってくるアメリカ人もいます。


 アメリカには1960年以降、SONYを初め”Made in Japan”ラジオが大量に輸出されいますので、40、50年を経た今日でも多くのヴィンテージ・ラジオが出品されています。一度、覗いて見たら面白いと思います。米eBay< http://collectibles.shop.ebay.com/Radios-/931/i.html?_nkw=radio&_frs=1&_trksid=p3286.c0.m359>には2月15日現在約2万件以上のラジオが出品されています。

3)タヌキが多いインターネット・オークション

◎アメリカ編
 XXXXXXXXXXX トランジスター ラジオ ワーク アイテム(稼動品)

 深夜2時過ぎ、パソコンの前で深呼吸して”eBay” オークション1分前に自分の決めた「入札金額:81.55ドル」入力、終了9秒前にコンファーム(承認)ボタンを押す。数秒後に終了して80.50ドルで落札。海外のインターネット・オークションは自国ユーザーに終了時刻が設定されているものが多く、日本時間の深夜2時~5時はよくあります。

 眠くて頭がボッーとしている深夜、終了間際が一番忙しくなる人気のラジオは終了1-2分前に数十ドルから400、500ドル以上に跳ね上がる。目を丸くしている間に終了の時間延長はなく、全部が時間通り終了【ヤフーのような延長の設定はない。】多くの出品者は直ぐにインボイス(請求書)を送信してくる。USPS・ファースト・クラス・インターナショナル(日本の定形外郵便のような郵便物=航空便)17.80ドルを加算して”ペイパル”カード決済で支払い完了。就寝。

 そして、落札した日から9日目、米国の出品者さんからラジオが届いた。
 チューニングのツマミに何となくグラグラ感があり、調べるとポリバリコンの経年劣化か中心軸がおかしい、音は切れる、NHKからTBSへ選局をかえようとチューニングのツマミの傾き加減で音が出なくなる状態。早速、出品者へメール連絡すると「ラジオは聴こえないか?」と返事が来たが、こちらの質問には答えて来ない。その後、何度かやり取りしたが話しにならなかった。この種の出品者はアメリカには意外と多い。

こうしたタヌキに化かされることは、海の向こうの話だけではない。

◎国内編
 ヤフーオークションの「ラジオ>アンティーク」のカテゴリーで面白い国産ビンテージ・ラジオを見つけて入札、数名を押し退けて無事落札したラジオがゆうパックで届き、残業して帰宅後にすぐに早速商品チェックすると商品説明とは違った。
 「ジャンク品です。現状では鳴りません。ラジオ内部の電池ボックスの線が外れています。」という出品説明でした。
 この説明文をどう解釈するかによって納得できるか出来ないか両者に分かれるでしょう。
 僕は「ラジオ内部の電池ボックスの線が外れているので、現状では鳴りません。」、つまり、切れている線を繋げば鳴るものだと、解釈しましたが、違いました。
 すぐに「取引きナビ」で出品者さんへ『本日、商品が届きました。早速電池ボックスの線を繋ぐ修理をした状態で電池を入れましたが、使用出来ません。』と連絡したら、「電池ボックスの結線では動作しないとのこと残念です。ぜひ、修理をしてお使い下さい。」と言う返事と共に「非常に良い」という評価も送信されて来ました。呆れてしまいました。

 このことを2階の兄(注、兄は古いラジオには興味ない)に感想を求めたら「(この出品者は)電池ボックスの切れている線を繋げば、ラジオは鳴る。とは、どこにも書いていない。線が切れている説明はカモフラージュだよ。ジャンク品って書いてあるじゃん。その言葉が100%、すべて。お前の判断ミス・・・それにしても、この人(出品者)は壊れたラジオを売るのが上手いね。」との言われてしまった。

前者はアメリカ、後者は国内での事例ですが、日米ともにタヌキが生息しています。

4)日本各地の自営業者
 日本各地には真空管ラジオと白黒テレビの修復をされている自営の方がいます。その方のブログや販売サイトはグーグル等の検索サイトで見つけることが出来ます。その方たちは、単にビンテージ・ラジオの楽しみや仕入れたラジオを売るだけでなく、古いラジオの修理の苦労話しやラジオ・白黒テレビの製品批評に至るまでインターネットに掲載されておられます。

1台のラジオを修復するのに2-3台の同じ中古ラジオを組み込み、壊れた部品は交換して時間をかけた根気のいるお仕事です。高額なプレミアが付いてて僕には手が出ませんが、専門技術を持つプロがしっかりと修復されたビンテージ・ラジオは素晴らしい音色でしょう。

5)店舗に足を運ぶ
 懐かしいラジオの専門店、骨董屋さんの片隅に並んだラジオ、真空管のパーツ屋の横に陳列されたラジオ、近所のHARD OFF(ハード オフ)、これら商店で売られているビンテージラジオには決まったような値段(相場)があるように感じます。

 やはり高額ですが、ジャンク品以外は短期ながらも「商品保証」が付いているものが多いし、何よりもインターネット通販とは異なり、直にラジオに触れてみたり、ラジオの裏側を覗き込んだり、お店の人のうん蓄を聴く事もできる。時間があれば、こうしたお店へ行くのも大いに楽しいと思う。

6)フリーマーケットで見つける
 古着や子供のおもちゃなどが並ぶフリーマーには、有名なフリーマーケットともなるとビンテージものの腕時計、ライター、カメラなどと一緒にトランジスターラジオを並べているオヤジがいます。本来はリサイクル運動が目的ですが、そのビンテージラジオの出品者の多くは商売人です。「これいくらですか?」と聞くと、「ああそれはね、2万円。安くしておくよ、1万8千円でいいよ!」と返事が戻ってくる。「うぉ、高いねぇ。」と言い返すと「あんた誰!」と言われたことがある。あなたが買わなくても、古いラジオは高く売れると言わんばかりだ。 何だかよく判らない1980年代以降のトランジスターラジオ以外は決して安くないと思う。

7)インターネット通販
 今日、大小、多くの業者がインターネット通信販売サイトでビンテージ・ラジオを販売しています。インターネットで検索するとジャン・ジャン出て来ます。ただ、その実態は個人経営が多いようです。深夜11時半頃、「注文」を入れるとその後すぐ深夜(午前1時ごろ)に「ゆうちょ銀行口座へ代金と送料を7日以内に振込むように・・・・。」との電子メールが流れてきたことがある。まさに個人経営のなせる業です。 実際には、店舗や専用事務所を持たない「インターネット通販店舗」については実態がよく判らない。

8)結論
 今回の寄稿のテーマ:ビンテージ・ラジオは何処で買うのか?正直なところ、僕の答えは出ていないのです。ただ、ひとつ共通していることは、ビンテージ・ラジオを語るとき、そのお店あるいは個人の方が「本当に古いラジオを愛している。」かを感じ取れることがポイントになると思います。

以上です。
        平成23年2月16日   匿名希望 ペンネーム:青葉のラジオオタク