日乃出電工




　昭和40年代、「Hinode／日乃出」製のシングル送信機を片手（ボタンを１回押すと右旋回し、２回押すと左旋回・・・というように）にラジコン模型飛行機やボートで遊んだ世代にとっては懐かしいメーカーだと思います。

　日乃出電工株式会社は、大阪市北区に本社を置き、東京都文京区に東京支店があった。総勢50、60名の会社とは言え、昭和30年代から昭和50年頃までラジコン模型の送受信機と共に少年向けのラジオを次々と発売し、消えたメーカーです。

　ＳＯＮＹには「ソニー坊やのあっちゃん」、この日乃出電工には「ヒデ坊のお兄ちゃん」がトレード・マークとしてパッケージやパンフレットに使用されています。昭和３５年頃までの「ヒデ坊は、右手を挙げ耳にイヤフォン、黒ずくめに蝶ネクタイに半ズボンと細い足と異様なイラスト。昭和36年辺りから耳のイヤフォンは消滅して左手の人差し指突き上げるポーズに変わった。主力をラジオからラジコン用送受信機にシフトしはじめた時期でもあります。

　ヒノデの初期のトランジスタラジオの型番には、T に続く数字が１桁は初期のゲルマ検波後低周波１段増幅回路、20番台のラジオは１石の高周波増幅系・・・など型番に特徴があったようですが、番号振り付けについては定かではございません。

　少年時代、五百円札を大事に半ズボンのポケットに入れてタミヤの戦車、あるいは長谷川の自動車のプラモデルを買いに近所の模型店へ行って店内ガラスケースに飾られたヒノデのラジオにも引き寄せられ、迷いに迷い小さなラジオを買った想い出は私だけでしょうか。

　懐かしの昭和の”HINODE”ラジオです。

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